信頼性と妥当性

信頼性(Reliability)

信頼性とは、同じ対象に同じ条件で検査を繰り返し実施した場合に、同様の結果が得られるかどうかを指します。例えば、正しい目盛が付いているものさしのように、一貫した結果が得られることが重要です。

信頼性の評価基準

  • 内的整合性:クロンバックのα係数(α=0.70以上が目安)。因子ごとに3項目以上が望ましい。
  • 安定性:再テスト法。同じ対象者に2週間〜1ヶ月間隔でテストを実施し、相関を確認。

妥当性(Validity)

妥当性とは、測定しようとする概念をきちんと捉え、表現できているかどうかを意味します。例えば、重さを測るのにものさしを使うことは妥当性を欠く例です。

妥当性の種類

  • 内容的妥当性:項目が因子を適切に構成しているか、研究者がチェック。
  • 基準関連妥当性:外的基準との相関を算出。併存的妥当性と予測的妥当性に分かれる。
  • 構成概念妥当性:理論的に関連する心理尺度との相関を算出。収束的妥当性と弁別的妥当性が含まれる。

心理学研究のポイント

新しい心理尺度を作成する際には、信頼性と妥当性の検討が欠かせません。質問紙調査はやり直しがきかないため、事前に分析計画を十分に立てることが重要です。

調査計画の立て方

  • 測定する構成概念を明確に定義。
  • 適切な分析方法を事前に検討。
  • しっかりと準備を整えた上で調査を実施。

この記事では心理尺度作成の基本となる信頼性と妥当性について解説しました。正確で効果的な調査のために、事前準備を怠らないようにしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です