日本で唯一無二の調査
国勢調査というのをご存じですか?
数年に一回,調査員が全国津々浦々の家を訪問して,家族構成とか収入とかいろいろなことを調べます。
で,この調査は日本で唯一の全国民を対象とした調査なんですよね。
これを全数調査といいます。
全数調査は,日本国民全部を対象にしていますから,日本国民のことを知るにはてっとりばやい調査です。そして,信頼度も抜群です。
大学生のアンケート
よく大学では卒論のアンケートをお願いしにくる学生がいますよね。
大学の授業で大学生がアンケートをとるのは,単にアンケートをとりやすいからです。
ですが,何のためにアンケートをとってるかといえば,一般的な人たちの回答を得たいからなんです。大学生は18歳から22歳ぐらいの若い人がメインですから,それが一般的な人たちかというと,結構微妙です。
でも,大学生が授業の合間に,たくさん授業を受けている大学生にアンケートを取るのが一番効率のいい方法なんです。
もちろん,名前も書かないですし,成績にも影響しないし,強制ではないですよね。
こういうのを標本調査といいます。サンプリングといったりもします。
全数調査よりは手軽にできます。もちろん,一般的な人たちの回答を知りたいという目的があるとしたら,精度は落ちる訳ですが。
投票時間が終わってすぐ当選確定がでるのはなぜ?
選挙ではだいたい夜の8時に投票が締め切られることが多いですよね。
投票用紙を数えるのは時間がかかるはずなのに,8時をすぎたらすぐにテレビで当選確実というテロップが出たりしています。
これなんでかわかりますか?
実は,これも標本調査の仕組みを利用しているんです。
選挙では一番たくさん投票された人が当選しますよね。
理屈では全部数え終わらないと,誰が一番かわからないと考えがちです。
でも,投票に行った人なら,投票所の出口でいろんな新聞社とかテレビ局が誰に投票したかアンケートを取ってるのをみたことがありませんか?
あれは出口調査といって,一定の投票所に来る人に投票行動を尋ねてデータを集めているんです。
で,会社にもちかえって,投票時間が終わるまでに,例えば選挙区が1万人の地域で1000人の出口調査データが集まったとします。そこで80%ぐらい,つまり800人ぐらいがAさんに投票していたとします。すると,おそらく1万人全部の投票結果をみても,だいたいおんなじ割合,つまり8000人ぐらいはAさんに投票しただろうとみなすのです。そしてこの予測はだいたい当たります。
実際の出口調査のサンプル数はもっと少ないでしょう。だから,短い時間で投票情勢が分かり,投票時間が終わってすぐに,圧倒的に得票数が多い候補者に当確を出したりするんですね。しかしたまに当確が外れることもあります。予測だからです。
アンケートの意味
アンケートというのは全体を知るために一部の人にサンプルになってもらって全体の情報を調べたいときに行われます。
たくさんのモニターサイトがあって,多くのインターネット調査会社がモニター登録者にポイントと引き換えに,アンケートを依頼しています。
私もよく研究でインターネット調査を利用しますが,この仕組みを知っているので,答える人がそんなに多額の報酬をもらって答えていないことは意識しています。つまり,結構適当に答えている人も一部混じっているのは想定内です。
ただ,経験的に7,8割ぐらいのモニターは真面目に答えてくれているようです。
で,目的はあくまでも全体の傾向ですから,サンプルとしての役割は十分果たしてもらえるわけですね。
皆さんもモニター登録をしてアンケートに協力するときは,どんな仕組みなのか知っておくといいかもしれませんね。
あと卒論で困っている人はこちらもどうぞ。
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