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メンタルで病院に行くのは普通のこと

はじめに

精神的にしんどいとき,皆さんはどうされてますか?以前の記事で,脳内神経伝達物質の話をしました。この記事ではより具体的に,メンタルクリニック等を受診するかどうかの目安を説明します。まず,少し長いですが,私自身の体験談からお話します。必要なければ読み飛ばしていただいて10ぐらいから読んでもらっても構いません。

私の体験談1

私は高校生ぐらいのときから,細かいことにくよくよすることが多くて,精神的にしんどいという気持ちでいることが多くありました。個人的な話ですが,私はひどいくせ毛で,小さい時から悩みの種だったのですが,中学までは学生帽を被る学校だったので,頭を隠せてよかったのが,高校になるとみんな自由な髪形で,一応指定の学生帽はあるものの,誰も被ってやしません。最初の数日だけ学生帽を被って登校してみましたが,学生帽なんて応援団などバンカラ風の連中が被るものという風潮があって,電車などでかえって目立ってしまいます。それで帽子を被らずに電車通学するようになったのですが,これが実は初めてだったんですね。

私の体験談2

小さい頃からずっと外に出る時は野球帽を被ってました。学校のクラス内では帽子は被ってませんでしたが,クラスメイトとはある程度,信頼関係があったので,からかわれることはなかったです。でも電車とかだと,知らない女子高生などが私の頭をニヤニヤ笑ってみたりします。思い過ごしなのかもしれませんが,ヒソヒソ話しながら私を見たりするのを目撃すると,頭ではわかっていても,自分の髪型を笑われている被害妄想がひどかったです。というのも,私の頭はくせ毛なだけでなく,とても薄くて,禿げているように見えます。10代でこれはきつかったです。

私の体験談3

高校生のときクラスメイトに「おやじ」というあだ名をつけられました。悪気はなさそうでしたが,頭が禿げているように見えるし,だから「おやじ」なんだろうなと苦笑いしながら過ごしていたのを覚えています。今思えば,多少くせ毛だったり,禿げているようにみえていても,平気でいればいいと頭では考えるのですが,人からどうみられるか異常に怖かったです。小学校ぐらいのときから外で一切帽子を取らなかったのは,知らない子どもから「ラーメン頭!」とからかわれたのがきっかけでした。すごく嫌な思いを小さい時にしたからだと思います。

私の体験談4

それで高校2年生のときは,学校に行くのが嫌で,電車で最寄り駅に着くとしばらく,近くのバスターミナルの待合室にじっと座って,1時間目が終わった頃に仕方なく登校するようなことをしていました。クラスはサッカー部や野球部の男子などのいわゆる陽キャが人気があり,担任も彼らと一緒に盛り上がろうとするような雰囲気で,そんな担任も嫌いで私はとても居心地が悪かったのです。ある日,担任から母親に呼び出しがかかって,遅刻が多いから卒業に差し支えると注意されました。母は私を叱りませんでしたが,それから電車ではなく朝は父が車で出勤するのに乗せてもらって,学校の近くで下ろしてもらうようになりました。

私の体験談5

それで私もイヤイヤですが,ちゃんと学校に朝から行くようにしました。そういう高校生活でしたが,クラスは居心地が悪いし,成績も下がる一方でした。外見の劣等感がひどくて,勉強に身が入らないのです。それで図書館で心理学とか宗教とかいろんな本を読んで,自分の悩みの答えになるようなものはないか探しました。結局そんなものはなかったですが,そのときに読んだカウンセリングの本の影響を受けて,今の仕事に進んだんだと思います。

私の体験談6

それで大学に入ってから,やはり精神的に調子が悪いという感覚が続いて,大学3年生の時に,初めて精神科を受診してみました。医師に「私はうつ病ではないでしょうか」と訴えたのですが,医師は十分な説明をせずに「あなたはうつ病という感じではない」といい,何か覚えていませんが1つ薬が出されました。しかしそれを飲んでも全く気分は楽になりません。何より医師の態度が不誠実に思えて,二度とそこは受診しませんでした。

私の体験談7

大学院に進学してしばらくして,今度は自分が,ある自治体の教育相談員をアルバイトで週1回することになりました。仕事は,主に不登校のお子さんとお母さんの面談で,私は子どもさんの担当をすることが多かったです。ここでは,私以外に3,4人の女性のベテランカウンセラーがいました。それで,大学院生で若手の私を彼女たちのうち2人がやたら仕事帰りに飲みに誘うのです。話の内容はどうも私がカウンセラーとして未熟だから,考え方を仕込んでやろうとしている感じでした。私は内心ありがた迷惑だと感じながら,誘われればできるだけついていくようにしました。しかし,彼女たちのうちリーダー格の1人は,結局は自分のカウンセラーとしての価値観を私に強く押しつけようとし,もう一人の手下のような女性は,横でしきりにうなずいているというような状況です。すごくストレスでした。

私の体験談8

それで1年ほど経って,子どもの頃におさまっていたアトピー性皮膚炎が再発し,ひどい症状がでました。体中かゆくてしかたないのです。それで,今度は皮膚科を受診しましたが,最初はネットで調べて電車で2時間ぐらいかかる病院を探し当て,そこではステロイドは副作用があるとかで,漢方を処方するようなところでした。しかし症状は全くよくなりません。それで,しかたなく近くの市民病院の皮膚科を受診したら,先生が「すぐにステロイドを処方しましょう。副作用の心配は一般にいわれるけど,さっと症状を抑えてしまった方がいいです」と言って下さり,症状はみるみるよくなりました。

私の体験談9

ただ,同時にカウンセラーの先生にも話を聴いていただけたのですが,1,2回したら,そのカウンセラーの方が心身の不調になって仕事を辞めたとかで,カウンセリングもそれっきりになりましたが。そこで,私は薬には副作用があるとかいろんな意見を言う人がいるけど,しんどい症状が治らなければ意味がないということ,医師によって治療方針が全然違うから,自分のニーズに合った医師がいる病院を複数探さないとダメだという感じを強くもちました。

私の体験談10

30歳ぐらいから私は地方の小さな大学で仕事をするようになりました。職場環境はひどいところだったので,ストレスは強く,心身の不調があったので,そこでも心療内科を受診しました。先生は感じは悪くありませんでしたが,薬も大して効果がなく,しばらくして受診しなくなりました。5年ほどそこに勤めて,今の中規模の大学に移りました。結婚もしてましたので,妻や子どもたちとの生活です。それで,心の不調というより,自分はすぐにイライラしてカッとなることをどうにかしたいと思うようになりました。

私の体験談11

今までの経験から,病院に行っても大して効果がないということの繰り返しでしたが,1つ目の病院では軽い精神安定剤が出されたと思います。駅前の繁盛しているメンタルクリニックでしたが,医師は適当に診察している印象で,結局しばらくして行くのをやめました。2つ目は結構本格的なメンタルクリニックで,評判もよかったのですが,最初にうつ病質問紙などたくさんの問診票に答え,医師の診察を受けましたが,なんだか先生の印象がとても暗く,診断というか説明も納得いかなかったので,もらった薬は覚えてませんが,軽い様子見のような薬だったと思いますが,すぐにここも通院しなくなりました。

私の体験談12

それでしばらくして,今通っている,職場から家への帰り道の途中にあるメンタルクリニックを受診してみました。そこの先生は,すごく診察が早くて,たくさん待合室に患者がいても1人あたり5分ぐらいで診察を終えるので,すぐに私の名前が呼ばれます。先生は気さくな方で,私がいろいろ話をするのですが,要するに焦らずにということをいわれました。それで,初診時には私の自己診断にも耳を傾けて下さり,SSRI(選択性セロトニン再取込阻害剤)ですぐイライラする私の課題をなんとかマシにしたいと訴えました。

私の体験談13

先生は私の要望を聴いて下さり,SSRI(後でSNRIに変わったと思います)と精神安定剤,頓服で抗不安薬の3種類が処方されました。で,1,2カ月飲んでは通院を続けました。私は自分では違いが分からなかったのですが,妻が「明らかにいい方に変わった」というのです。それまでは結構私が原因で夫婦で口論することがありました。子どもも小さかったせいもあったかもしれません。しかし妻がそういうのです。薬に意味があるのかもしれないと思い,ずっと通院と服薬を続けています。もう10年近くになるんじゃないでしょうか。

通院すべきかどうかの判断

私にはその判断は明確なものはないと思います。ただ,具体的に解決したい自分の課題,例えば私の場合はすぐにカッとするのをどうにかしたいというようなものがはっきりしてきたら,それを改善するために薬を飲んでみるというのはアリだと思います。その際,病院や医師にはさまざまなタイプがいます。患者の意見を全然聞く気がない医師もたくさんいます。そういう医師にあたったら,さっさと違う病院に行くべきです。私の個人的なおすすめは,初診時に自分の要望をしっかり聴いてくれて,可能な範囲で出される薬に希望をちゃんと反映させてくれる医師です。そしてどういう薬を飲むかの相談を毎回ちゃんとしてくれる医師が一番いいと思います。納得した上で薬を飲み続けることは,自分の課題を少しでも解決につなげるきっかけになると思います。

精神科やメンタルクリニックの仕組み

ちなみに精神科やメンタルクリニックでは話を何分聴いても診療報酬に差がないので,5分や10分など短時間で通常の診察は終わります。カウンセリングなんてしません。私の行く病院にもカウンセラーはいますが,週1,2回しかなくて,予約が取れないので1度もしてもらってません。だから保険適用でなく実費がかかるのかも聞いてません。ただ,初診時だけは20~30分ぐらい長く話を聴いてくれます。診療報酬も少し高いんだそうです。その時に医師が自分に合うかを見極めたらいいと思います。直感も大事です。

薬の助けを借りてもいい

結論をいうと,そういう条件がみたされれば,薬の助けを借りて,気分をよくする工夫はアリだと思います。前の記事で書きましたが,私は肥満も薬の助けを借りて改善しました。周りの人の意見も聞きながら。ちなみに私は今でもしょっちゅうカッとなるし,イライラするし,精神的に調子が悪いと思うことは同じです。でも,妻は前と全然違うといいます。だから,きっと効果があるんでしょう。何より大切な家族との接し方がよくなっているなら一番なので。

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